タダで文章を書いてほしいと頼まれたら、どう対応する?鬱兔はかつて、二言三言しか話したことのない初対面の人から、会社の広告の台詞を考えてほしいと頼まれました。台本もなく、報酬の話もありません。彼女は、誰もが専門分野での実績を長い時間をかけて積み上げていると指摘します。こういうときは、まず報酬があるかどうかを確認すること。相手がタダで済ませたいだけだとわかったら、上手に断るか、条件を示せばいいのです。
※鬱兔による中国語の原文を翻訳したものです。
これは、ある講演会に参加したときの出来事です。
始まる前、さまざまな業界から集まった人たちが一堂に会し、お約束どおり雑談が始まりました。簡単に言えば、互いに知り合って、何か一緒に仕事ができないか探るようなものです(?
そのとき、友人が初参加の私を紹介してくれました。
「こちらは小説家で、私の日本語の先生でもあるの」
P.S. 小説家という肩書きは目立ちすぎるので、職業を聞かれたらたいてい「文筆業です」と答えています。そうしないと質問攻めにあって面倒なので。
余談ですが、知り合いの弁護士さんも自分のことを「文筆業」だと言っていました。訴訟のたびに書面を整理するなど、強い論理力が必要だからだそうです。でも一般的に言って、弁護士のほうが小説家よりずっと稼いでいますよねXD
話を戻すと、紹介が終わるやいなや、案の定ほかの人たちから「尊敬(?)」のまなざしが注がれ、私は気まずくうなずきました。実はこういう場面がかなり苦手で、できれば完璧な90度の角――つまり部屋の隅っこにいたいのです。
「小説家なら、脚本を書いてくれない?」
すると、近くに座っていた女性が振り向いて、興奮気味にこう言いました。「えっ、小説家なの?じゃあ、うちのショートムービーの脚本を書いてもらえるじゃない!」
それを聞いたときは、なかなか期待しました。いいチャンスだと思ったからです。以前から脚本の仕事にも挑戦してみたかったので、その機会があるならもちろんうれしい。
でもその日、彼女は連絡先を聞いてきませんでした。
ただ言ってみただけかなと思って気にしていなかったのですが、数日後、彼女からLINEの友だち追加のメッセージが届きました。誰かから連絡先を聞いたのでしょう。
台本も報酬もない依頼
彼女はいきなり、ショートムービーの大まかなコンセプトと伝えたいことを説明し、ユーモアのある面白い台詞をいくつか考えてもらえないかと言ってきました。
それを見て、少し戸惑いました。台詞を考えてと言うけれど、台本なんてものはまったくない。それって基本的に全部私に考えろということでは?尺などの情報すらないし、報酬を払うかどうかにも触れていません。
尺を聞くと、60秒くらいだそう。内容からすると、最初に想像していたショートムービーではなく、会社で使う広告のようでした。それなのに、まったく知らない人にこんなに雑に頼むなんて。いや、そもそも「お願いします」とすら言っていませんでしたねw
60秒の映像なんて短いから大したことないと思わないでください。実はものすごく頭を使うんです。ボツになって修正に回される可能性もありますし、会社の顔になるものをこんな雑な態度で扱うなんて、問題が起きる確率が高そう。完全に地雷案件です~ ~
でも人情も考えて、最近忙しいけれど、すでに台本があって台詞を考えるだけなら手伝えますと伝えたら、それっきり返事が来なくなりましたXD
せめてスタンプくらい返してよ!!!
専門性は長い時間をかけて積み上げたもの
よく考えると、私と彼女の接点は最初に交わした二言三言だけで、それ以上は何もありません。基本的には赤の他人です。なぜ私が彼女を手伝わなければならないのでしょう?というより、なぜ彼女は私が手伝うべきだと思ったのでしょう?
誰もが自分の分野で実績を上げられるのは、長い時間をかけて積み上げてきたからです。敬意がないのはまだしも、まったく付き合いのない人が、どうして他人が時間を割いて自分の専門性で助けてくれて当然だと思えるのでしょうか?
しかも、どう見ても会社で使うものですよ。慈善団体じゃあるまいしw
タダで頼んでくる人にはこの手
その後、友人がアドバイスをくれました。まず報酬があるかどうかを聞くこと。相手がタダで済ませたいだけだとわかったら、こう言えばいい――「無償でお手伝いしてもいいけれど、とても忙しいので、順番はずっと後になります(たとえば第10次氷河期とか)。ほかの方を探したほうがいいですよ」
こんなに高度な言い回しがあったなんて(メモ)。同時に、勇気を出して報酬があるかどうかを直接聞けなかったことが少し悔やまれます。次はどうすればいいかわかりました。
あなたも、こういうタダで頼んでくる人に出会ったことはありますか?
もしあったら、今紹介したこの手で解決しましょう!
よくある質問
他人に無償で専門的なサービスを求める人のことです。たとえば付き合いもないのに、作家に脚本や台詞、コピーをタダで書いてほしいと頼む人です。
まず報酬があるかどうかを確認しましょう。相手があなたの専門性をタダで使いたいだけなら、丁寧に断るか、条件がはっきりしている場合に限って協力すると伝えます。
専門的な成果は長い時間をかけて積み上げたものです。商業用の文章には修正や責任も伴い、無償で引き受けると大変なうえ、相手に専門性の価値を軽んじさせてしまいます。
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著者について
鬱兔は台湾のライトノベル作家・小説家VTuber。業界歴10年以上、紙の商業出版は40冊に上ります。『遺失的情書』で台湾文化部の若手創作助成(2022年度)を受賞。『嘿!聽說妳在鬼島當作家』シリーズでは、台湾で小説家として生きる日々を綴っています。

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