ロシアとウクライナの戦争が始まったとき、台湾の作家は何を感じた?この文章を書いたのは、ウクライナとロシアの開戦から2日目のことでした。鬱兔はかつてない危機感を覚え、ウクライナで苦しむ人々を思って心を痛めると同時に、台湾の置かれた状況を憂い、この土地の歴史とアイデンティティについて考え直します。この島と島に暮らす人々への愛を綴り、ウクライナのために祈っています。
※鬱兔による中国語の原文を翻訳したものです。
ロシアとウクライナの開戦2日目
この文章を書いているのは、ウクライナとロシアが開戦して2日目です。
地球上で戦火が絶えたことはありませんが、今回はこれまでにない危機感を覚えています。
ロシアとウクライナの関係は、実は私たちの国と隣国の関係に少し似ています。だからこそ、特に恐ろしく感じるのでしょう。子どもの頃から、さらには年長者たちからも、隣国によるさまざまな言論攻撃や武力による威嚇の話を聞いてきました。でも長い年月が過ぎても現状は維持され、隣国の脅威にもすっかり慣れて、その日が来ることはないと思っていたのです。
戦火は私たちから遠く離れていると、まだ漠然と思っている人も多いかもしれません。でもこうした報道を見れば、私たちも戦争の脅威に直面しうるのだと気づいて驚くはずです。
最近、飛行機が上空を通過する頻度がどんどん上がっている気がします。今朝は10分間に8回ほど飛んでいき、低空を飛ぶエンジン音に少し不安になりました。
私の住んでいるところは空港から遠いのですが、近郊に基地があります。友人は、演習が増えているか、近くの別の場所から飛んできているのかもしれないから、あまり心配しなくていいと言っていました。
それでも今日はどうにも落ち着きませんでした。明日の配信の準備をしながらも、心は銃弾が飛び交う戦場のことばかり。結局、ウクライナのタグで検索して、戦火に包まれた光景や人々の別れの写真や動画を見て、思わず目頭が熱くなりました。
彼らのことを思って悲しくなる一方で、自分の国の状況も心配になりました。
戦争が残す長い苦境
戦争は一度始まると長く続くと聞いたことがあります。戦時中の避難や物資不足はもちろん、恐ろしいのは生き延びたあと、さまざまな苦境に直面すること――政権の交代、貧困と病、インフレと社会の混乱、当たり前だった自由を失うことなどです。
台湾の歴史を振り返る
自国の歴史を深く知るようになって、法的に言えば私たちはどこにも属したことがないと知りました。日本が敗戦して降伏し、サンフランシスコ平和条約が結ばれたあと、アメリカは台湾・澎湖を戦勝国連合の領域とみなし、現在の台湾の政権に「代理統治」させました。しかし今に至るまで、代理統治の終了を宣言したアメリカ大統領は一人もいません。
そして隣国とのつながりは、下関条約の時点ですでに断ち切られています。日本は敗戦後、台湾・澎湖に対するすべての権利や名義などの請求を放棄しただけで、「返還」という話はありませんでした。
感情の面から言っても、両者の考え方や社会の風潮は、やはり違いますよね?
では、私たちはいったい誰に属しているのでしょう?
迷える私たちは、数々の政治的な意図による塗り替えを経験し、歴史の真実はぼやけ、若い世代は自分の立ち位置がわからなくなっています。この400年、私たちの祖先はさまざまな民族から来て、この土地で暮らし、争い、協力し合いながら、長くも短くもない年月を過ごしてきました。
多様なものが交じり合い、何でも受け入れ、勇気を持って声を上げる。それがこの土地の姿であり、この独特な歴史があったからこそ、これほど特別な文化が生まれたのでしょう。
ここまで書いても、私たちがこの先どこへ向かうのかはわかりません。結局のところ、私たちは長い人類の歴史の中のひと粒の塵にすぎません。でも歴史はいつも強者が語るもの。知られざる血と涙を、誰が知ることができるでしょう?どれだけの真実が、貪欲な略奪の陰に隠されているのでしょう?
これほど強硬な迫害を前に、私たちに何ができるのでしょうか?
この土地を深く愛している
何があっても、私は足もとのこの土地と、同じ島に暮らす人々を深く愛しています。どんな苦境に直面しても、手を取り合って乗り越えていきましょう。
筆を執る今夜、私は神に祈ります。ウクライナで苦しむ人々をお守りください。
世界各国が次々と手を差し伸べているのは、時代が変わったことの証です。私たちは、より愛と思いやりにあふれた世界に生きています。すべてが良い方向へ向かいますように。
よくある質問
ロシアとウクライナが開戦して2日目に書かれました。当時の鬱兔の不安と、世界情勢への関心が記録されています。
両国の関係が台湾と隣国の関係に少し似ていると感じたうえ、最近頻繁に聞こえる軍用機の音に、特に不安を覚えたからです。
ウクライナで苦しむ人々への思い、台湾の歴史とアイデンティティについての考察、そしてこの島と島に暮らす人々への愛です。
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著者について
鬱兔は台湾のライトノベル作家・小説家VTuber。業界歴10年以上、紙の商業出版は40冊に上ります。『遺失的情書』で台湾文化部の若手創作助成(2022年度)を受賞。『嘿!聽說妳在鬼島當作家』シリーズでは、台湾で小説家として生きる日々を綴っています。

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