創作では、自分のスタイルを貫くべき?鬱兔は、「個性的」と評判の店主がいる苗栗のカフェで仕事をしていたとき、店主と客の激しい口論を目撃しました。のちに、店主が座席の指定などたくさんのルールを設けていると知ります。そのルールには理由があると感じた彼女は、創作にも通じると考えました。作者がこだわる書き方や活動の仕方は、独自の一面を見せてくれます。誰もが受け入れてくれるわけではなくても、あなたを覚えてもらえる。自分のスタイルを持ったら、簡単に妥協しないことです。
※鬱兔による中国語の原文を翻訳したものです。
カフェでの口論
これは苗栗のあるカフェでの出来事です。
その日、私はいつものようにカフェで仕事をしていました。物語がひと区切りつき、予定の分量を書き終えたので、さぼって作業配信を始め、視聴者さんとおしゃべりしていました。
そのとき、階下から口論する声が聞こえてきました。
最初は気にしていなかったのですが、口論はどんどん激しくなり、ついにはこぶしでテーブルをたたく音まで。画面の向こうの視聴者さんにもはっきり聞こえるほどの大きさで、口論の内容を実況してくれる人までいて、私はとても気まずくなりました。
下に降りて止めに入ったほうがいいかとも思いました。記憶では、下で口論していたのは50〜60代くらいの男性の店主と、20〜30代くらいに見える女性。女性の店主への話し方はとてもストレートで、「頭おかしいんじゃない」「いつもそうやって自分が正しいと思ってる」「黙って」などと言っていたので、たぶん親子か、とても親しい親戚なのでしょう。そうでなければ、どんなに腹が立っても、他人にそこまで言いたい放題はしないはずです。
積年の恨みが一気に噴き出したような感じでした(?
こういうことはうまく対処しないと自分まで巻き込まれかねないので、もう少し様子を見ることにしました。
口論は30分ほど続き、いよいよ止めに行こうと決心したとき、女性が「黙って!もうあんたとけんかしたくない!」と叫んで、ようやく騒ぎは収まりました。
「個性的」で有名な店主
その夜、友人たちにこの話をすると、意外にもみんな驚いた様子はありませんでした。
なんとこのカフェの店主は「個性的」なことで有名だったのです。店内にたくさんのルールを設けていて、たとえば客はまずカウンターで注文してから席につくこと、店主が指定した席に座ることなど。守らないと店主の機嫌が悪くなるのだそうです。
正直、席を指定されるカフェにはほとんど出会ったことがなく、初めてそのルールを知ったときはかなり驚きました。でも考えてみれば、店主は店の運営をいちばんよくわかっている人です。コンセントのある席、採光のいい席などがあって、ノートパソコンを持って長居する客は、テーブルと椅子の高さが十分で設備の整った席に案内され、コーヒーを飲むだけなら快適なソファで十分なのです。
だから、店主が決めたルールは理解できると思いました。
席ごとに設備が違うので、先に来た客に自由に選ばせたら、長居したり読書したりする必要がないのに人気の席を取ってしまうかもしれません。後から来た客にはそういう必要があっても、ちょうどいい席がなく、妥協するしかなくなってしまうのです。
作品にも独自のルールがあっていい
少し唐突かもしれませんが、この店主の「こだわり」は、作品に置き換えてみると、通じる精神があると思います。
作者がこだわる書き方や活動の仕方は、好みから来るものであれ、ほかの理由があるものであれ、独自の一面を見せてくれます。ときには、そうした違いを見るのも面白いものです。あなたのこだわりとスタイルが、あなたをどんな人にし、どんな作品を書かせるのかを決めるのです。
見ていて気に入らない人や、あなたのルールにとやかく言う人もいるかもしれません。でも創作は商売ほど多くを考慮しなくていいと思います。もしあなたの「書き方」がどうしても気に入らない人がいたら、少し考えてみてください。それでも「これが自分だ」と思えるなら、自分らしくいればいいのです!
自分のスタイルを持ったら、簡単に妥協しない
独自のルールがあるカフェには、ほとんどの客を満足させられるという長所があります。独自のルールがある作品は、誰もが受け入れてくれるとは限りませんが、作者であるあなたを強く印象づけるチャンスがあります。
変わるか変わらないかは人それぞれ。でも自分のスタイルを持ったら、簡単に譲歩したり妥協したりしないでください。
あなただけのスタイルで、読者の心をつかみましょう!
よくある質問
誰もが受け入れてくれるとは限りませんが、独自のスタイルは読者に覚えてもらいやすく、本当にあなたの作品が好きな人を引き寄せます。
創作は商売のようにすべての人の好みを考える必要はありません。気に入らない人がいても、簡単に譲歩する必要はないのです。
店主が客の体験のためにルールを決めたように、作者がこだわる書き方や活動の仕方も、作品の独自の一面を引き出してくれます。
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著者について
鬱兔は台湾のライトノベル作家・小説家VTuber。業界歴10年以上、紙の商業出版は40冊に上ります。『遺失的情書』で台湾文化部の若手創作助成(2022年度)を受賞。『嘿!聽說妳在鬼島當作家』シリーズでは、台湾で小説家として生きる日々を綴っています。

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