数話しか書いていなくて誰も読んでくれないとき、急いで宣伝すべき?その必要はありません。鬱兔は、ネットで作品を発表しても「見てもらえない」ほうが普通だと考えています。数話書いただけで閲覧数やコメントゼロを嘆く必要はありません。まだ未熟で量も足りない作品を読む理由が、読者にはないからです。「たくさん時間をかけたのだから褒められるべき」というループに陥るより、書くことを好きになった理由を思い出し、まずは創作の旅を楽しみましょう。ある程度作品がたまって、読者がクリックしたときに読むものがある状態になってこそ、宣伝に意味が出てきます。
※鬱兔による中国語の原文を翻訳したものです。
注目を奪い合う時代
以前もお話ししたように、今は動画、漫画、スマホゲームなど、小説以外の強いメディアの作品が注目を奪い合っています。そんな中でも小説を書く人はどんどん増えていますが、本を読む人は年々減っていて、創作者は自分で自分を宣伝する方法を学ばなければなりません。
でも今話した状況は、作品を書き上げたあとで全力で読者を獲得しにいく場合の話です。ところが、少し書いただけで閲覧数や反応がないことに悩んだり、創作は孤独だと感じて仲間を探したがったりする人がたくさんいることに気づきました。
創作はもともとひとりで向き合うもの
言わせてください。創作はもともとひとりで向き合うものです。誰かが助言してくれてもくれなくても、作品が上達してもしなくても、自分で悟って成長していくしかありません。それに執筆は長い時間をかけて自分と対話する作業なので、創作の本質は孤独なのです。「自分」とうまく付き合うことを学ばなければなりません。
そうして自分と対話しながら、作品を積み重ね、一作ずつ完成させていく。心血を注いで完成させた作品には、創作者としてたくさんの反響をもらいたいし、みんなに愛されてほしいと願うのは当然で、そのぶん「数字」も気になるでしょう。でも私は、あなたが気にしているのは閲覧数そのものではなく、自分が認められているかどうかという感覚なのだと思います。
作品をネットに載せれば、大勢の人に見てもらえるチャンスはあります。でも実際には「見てもらえない」ほうがずっと起こりやすいのです。世界に向けて発信したい、見てもらいたい人があまりにも多いからです。それに、投稿のタイミングが早すぎた、文章がまだぎこちない、キャラクターに魅力がない、冒頭が退屈だなど、さまざまな理由で、たまたま見てくれた読者を引き止められず、数字がふるわない結果になってしまうのです。
もちろん、ネットで発表した途端に大反響を呼ぶ、才能ある作者もいます。でもそういう人は、ごくごく少数です。
数話書いただけで閲覧数を気にする?
話を戻しましょう。書き始めてまだ数か月、もしかしたら数話しか書いていないのに、閲覧数やコメントゼロを嘆いているなら、本当にその必要はないと思います。まだ執筆の力が鍛えられていないうえ、今の人たちにはたくさんの選択肢があります。その作品がどれだけ時間をかけて書いたものでも、相手にとっては「たいしたことない」作品にすぎないのです。
そういう作品は、読者にとって価値がありません。面白いものがこれだけたくさんあるのに、どうしてまだ未熟で量も足りない作品を読まなければならないのでしょう?
つまり、気にしているのは結局あなただけ。それなのに「たくさん時間をかけたのだから、褒められるべきだ」という間違ったループに陥って、世の中が悪い、誰も宣伝してくれない、読者がコメントしてくれないと責めてしまう。それが続くと、他人の反応を気にしすぎて執筆の初心を見失い、恨みばかりがたまっていきます。
でも、それが本当にあなたの望んでいることですか?
書き始めた理由を思い出そう
あなたが最初にどうやって執筆を好きになったのか、じっくり思い出してみませんか?
執筆を好きになったのは、どんな人にもなりきれて、手に汗握る冒険をしたり、忘れられない恋をしたり、現実ではかなわない願いをかなえたりできるからではありませんか?
それなら、まずはこの旅がくれる喜びを存分に楽しむべきです。名声やお金、テクニックの上達などは、すべておまけです。それがあれば気分はいいかもしれませんが、それだけのこと。もともと執筆で有名になりたいというなら、また別の攻略ルートになるので、ここでは触れないでおきます。
でも作品にもっと拍手をもらいたいなら、私の原稿チェックサービスもぜひ参考にしてください。
とにかく、あなたが書き始めたのは自分のためだったはず。それがどうして「人のため」になってしまったのでしょう?
もちろん、新人は黙々と書いて他人の評価は気にするな、と言っているわけではありません。ある程度作品をためて、読者がクリックしたときに読むものがあり、残ってくれるかもしれない状態になってから、適切に宣伝し、自分の気持ちもほどよく整える。それが創作を長く続け、人から評価されるための正しい道なのです。
よくある質問
まったく普通です。ネットには見てもらいたい作品があまりにも多いので、発表したばかりのころは見てもらえないほうが一般的です。
ある程度の量がたまって、読者がクリックしたときに読むものがあり、残ってくれるかもしれない状態になってからのほうが、宣伝の効果が高まります。
書くことを好きになった理由を思い出し、まずは創作の旅を楽しみましょう。名声やお金はおまけにすぎません。
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著者について
鬱兔は台湾のライトノベル作家・小説家VTuber。業界歴10年以上、紙の商業出版は40冊に上ります。『遺失的情書』で台湾文化部の若手創作助成(2022年度)を受賞。『嘿!聽說妳在鬼島當作家』シリーズでは、台湾で小説家として生きる日々を綴っています。

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