作家は個人からの小説の執筆依頼を受ける?鬱兔はたいてい受けません。個人からの依頼は多くが一度きりの買い切りで報酬も限られる一方、作品が将来生み出す価値は今の原稿料をはるかに上回ります。協力の形がはっきりしていないと、相手がどこまで口を出すかもわからず、一作書くには時間がかかって揉め事にもなりやすい。彼女が受けやすいのは、過度に干渉しない依頼や、すでに完成した作品をそのまま映像化などに展開する依頼です。条件のいい企業からの依頼でも、プロットや設定がすでに決まっていたため断りました。
※鬱兔による中国語の原文を翻訳したものです。
自己紹介のない執筆依頼のメッセージ
これは最近あった出来事と、それについて思ったことです。
ある日、メッセージが届きました。相手は自己紹介もなく、ただひと言「BL小説を書いてほしいのですが、料金はいくらくらいですか?」。
小説を書いてほしいと頼まれたときは、正直けっこううれしかったです。私は小説のほかにも収入のために仕事を請けていて、小説を書きながら依頼も受けられるなら最高です。でも、主に二つのことがあって、引き受けるのをためらいました。
なぜ個人からの依頼を受けないのか
ひとつ目は、これが個人からの依頼だということ。
個人からの依頼だと、基本的に一度値段をつけて買い切り、それで終わりです。しかも個人の依頼主なので、出せる報酬が限られているのは想像がつきますし、発展性もあまりない。今の私にとって小説はただの物語ではなく、もっと多くの協力のチャンスや収益をもたらしてくれるかもしれないものなのです。
もし私が文字を打って稼ぐだけの「ライター」なら、もちろんいいでしょう。でも私は「作家」で、自分の作品は時間とともに積み重なって、今買い切るよりずっと価値のあるものになるはずだと思っています。
それに、相手が協力の形をはっきり説明していなかったことも関係しています。
相手がプロットや人物設定を用意して、私はそのとおりに書けばいいのか、それともまったく新しく物語を組み立てていいのか。さらに相手がどこまで口を出してくるのか、毎章チェックされるのか、自由に書かせてもらえるのか。どれも料金の見積もりに影響します。
しかも個人からの依頼なので、何かあったときに揉め事が大きくなりやすく、面倒です。作品は二、三日で書けるものではなく、少なくとも数か月はかかります。もしとんでもない案件に当たって、しかも契約までしていたら、長い悪夢の始まりです(怖
というわけで総合的に判断して、私は個人からの小説の執筆依頼は受けません。あくまで参考までに。
どんな場合なら個人からの依頼を受ける?
では、どんな場合なら個人からの依頼を受けてもいいと思えるのでしょう?
相手があまり口を出さない、あるいは私がすでに完成させた作品をそのまま展開してくれるなら、小説の創作以外のことに余計な時間を使わずに済むので、受けてもいいと思います。
香港の会社からの依頼を断る
そういえば、以前香港の会社から小説の執筆を依頼されたことがありました。でも先方はすでに基本のプロットや種族、背景の設定などをある程度固めていて、引き受けたら私は「ライター」になってしまう、と感じました。
しかも作品はいろいろなメディアに展開すると言われて、さらに面倒だと思いました。展開の話になれば、事務所に報告して調整しなければならず……手数料も引かれますから。
だから条件がとてもよくても、受ける気になれず、お断りするしかありませんでした……香港は物価が高いので、大きな会社の案件で印税がもらえたら、いったいどれだけになったのか、本当に気になるところですけどねQQ
とにかく、皆さんにシェアしておきます。
よくある質問
たいてい一度きりの買い切りで報酬も限られます。協力の形や干渉の度合いがはっきりしないと、長い執筆期間のあいだに揉め事になりやすいのです。
ライターは文字を打って稼ぎ、作家は作品の価値を積み重ねていきます。鬱兔は、作品の長期的な価値は一度きりの原稿料よりずっと大きいと考えています。
相手が創作に過度に干渉しない依頼や、すでに完成した作品をそのまま展開してくれる依頼です。展開する場合は事務所との調整も必要です。
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著者について
鬱兔は台湾のライトノベル作家・小説家VTuber。業界歴10年以上、紙の商業出版は40冊に上ります。『遺失的情書』で台湾文化部の若手創作助成(2022年度)を受賞。『嘿!聽說妳在鬼島當作家』シリーズでは、台湾で小説家として生きる日々を綴っています。

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