台湾で作家をしていて、小説を書くのをやめたらと考えることはある?鬱兔は、才能ある仲間の多くが現実のために書くことから離れていくのを見てきました。台湾で執筆を本業にできる人はごくわずかです。それでも友人に「小説を書くのをやめたら何をするの?」と聞かれたとき、彼女はただ笑うしかありませんでした。やめるなんて考えたこともなく、一生書き続けたいだけだからです。
※鬱兔による中国語の原文を翻訳したものです。
夢を追った仲間たちが少しずつ去っていった
小説を書き始めてから今まで、志を同じくする仲間にたくさん出会いました。
私のように黙々と書き続ける作家のほかに、野心にあふれた人や、すばらしい才能を持つ人にも出会いました。彼らと夢を語り合った日々は本当に楽しかった。彼らの人気がうらやましくもありましたが、心の底から尊敬してもいました。
ネットでとても人気のあった友人は、長編を書き上げて大手出版社に投稿したいと言っていましたが、結局うやむやになり、今のところ彼が長編を完成させたのを見たことがありません。作品で台湾全体の空気を変え、出版の生態系を作り直したいと言っていた人は、何度も不採用が続いて意気消沈しました。自己アピールがとても上手で、野心を隠そうともしなかった人も、最後はひっそりと文壇から姿を消しました……
時が経つにつれ、作家という職業の本当の姿がようやく見えたのか、現実と折り合いをつけたのか、この道を去ると決める人がどんどん増えました。もう小説を書かず、別の分野に進んだ人もいます。
振り返ると、かつて肩を並べていた仲間は、いつの間にかわずかしか残っていません。
そして社会に出る年齢になると、さらに多くの人があきらめました。
それでも彼らは書くことへの情熱を持ち続けています。ただ生活のために、ほとんどが空いた時間にしか書けず、一冊書くのに何年もかかり、夢を少しずつ忘れていく人も……話題に上るたびに、懐かしそうな笑みが残るだけです。
台湾で作家でいることの難しさ
正直に言って、台湾で作家は本当に大変な職業です……とくに執筆を本業にできる人はごくわずかで、大多数は兼業で夢を燃やし続けています。
現実はまるで何枚もの分厚い壁のように、夢の道にしっかりと立ちはだかり、その上には棘がびっしり、どこまでも続いて終わりが見えません。誰かの支えや強い決意がなければ、挑戦する勇気はなかなか持てないでしょう。
今振り返ると、学生時代に契約を取った以外何の実績もなかった私が、いったいどこからこの試練の塔に挑む勇気を得たのでしょう?
いわゆる「生まれたばかりの子牛は虎を恐れず」というやつでしょうか?(今ではもう「年老いた子牛」ですが、コホン)
人脈なし、人気なし、運なしの「三無」を一身に集めた私(なんだかすごくかっこいい響き)が、ふらふらしているうちにもう十数年。愚直さだけで今まで書き続けてきました。これが褒められることなのかはわかりません。同年代の人はもう仕事でそれなりの成果を上げているのに、私はまだ大きな突破口もなく、ときには食いっぱぐれの心配までしているのですから。
「小説を書くのをやめたら、何をするつもり?」
以前、友人に聞かれました──小説を書くのをやめたら、何をするつもり?
私はただ笑うしかありませんでした。
どうしよう、やめるなんて一度も考えたことがないんです。
もっと正確に言えば、一生書き続けたいだけなんです。途中で生き方が変わったり、現実に多少譲歩したりすることはあるかもしれません。でも物語を創ることだけは、止めるなんてあり得ません。
それは私が人生を記録する方法のひとつです。本当に止まるとしたら、それはもう一文字も打てなくなったときでしょう。
私の答えを聞いた友人の表情には、微妙な憐れみが浮かんでいました。
私をばかだと思ったのでしょうか?それとも懲りない人だと?
実は私もそう思います。もっと良い暮らしをあきらめて、毎日パソコンの前でカタカタやっている自分は、たぶんばかみたいに見えるでしょう。でも、この止まらない気持ちはどうしようもないんです XD
私はね、この高い壁を登り続けたいんです。
向こう側には鳥がさえずり花が咲く世界が広がっているのか?それともどんな空があるのか?知りたいんです。
自分の力で、どこまで行けるのか?どんな景色が見られるのか?
あるいは、この人生ではただ登り続けて、力尽きて落ちるだけかもしれません。でも人にどう見られようと、自分の人生を後悔したくないんです。周りにはもう現実と妥協した友人がたくさんいます。私は人よりずっと幸運で、好きな仕事を選ぶ自由があり、最終的には家族の支えと励ましも得られました。
そんな私でさえあきらめることを選んだら、本気で疑ってしまいます。夢というものは、人を前に進ませる原動力なのか?それとも後悔だけを残すブラックホールなのか?
質素な衣食も怖くありません。買い物は何度も考えてから(中古ショップ巡りが大好きで、潮干狩りみたいに宝探しをしている気分です XD)。同年代の女の子のようにしょっちゅう美容院に行くこともできないし、ブランドにも疎いし、この先家を買うなんて夢のまた夢でしょう。でも一応お金の計画はあって、新しい可能性も切り開こうと努力しているので、年を取ってお荷物になることはありません。
私はただ平穏に生きて、創作を続けたいだけなんです。
私は鬼島で奮闘するちっぽけな人間です。世間の目から見れば、ただの負け組かもしれません。でも職業欄に「作家」と書くとき、私は胸を張れます。
よくある質問
ごくわずかです。鬱兔の観察では、大多数の作家は兼業で、働きながら夢を燃やしており、執筆を本業にできる人はほとんどいません。
度重なる不採用で心が折れる人もいれば、社会に出て生活のために空いた時間にしか書けず、少しずつ夢を忘れていく人もいます。
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著者について
鬱兔は台湾のライトノベル作家・小説家VTuber。業界歴10年以上、紙の商業出版は40冊に上ります。『遺失的情書』で台湾文化部の若手創作助成(2022年度)を受賞。『嘿!聽說妳在鬼島當作家』シリーズでは、台湾で小説家として生きる日々を綴っています。
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